木母寺に

7月29日、東海亮樹の納骨を兼ねた七回忌の法要を行いました。
諸事情で、この6年間お骨はずっと我が家にあったのですが、七回忌を前にようやく良いところを見つけることができました。墨田区の木母寺(もくぼじ)で、そこの納骨堂です。

https://www.mokuboji.org/

能の「隅田川」ゆかりのお寺です。平安時代に京都で人買いにさらわれ、この地に連れてこられて亡くなったという少年、梅若丸を祀っています。

お寺の入口付近。5月に撮影

東海の祖父までの墓は青森県弘前市天台宗のお寺にあるのですが、東海は割とルーツに思い入れがあって、一緒に大阪に住んでいた頃、比叡山延暦寺に2回行きました。
といっても信心があったわけではなく、東海自身の葬儀は無宗教でしたが、
天台宗のお寺に供養してもらうのはいいと思ってくれるのではないかと考えるようになり、今年になってネット検索して、自宅からそれほど遠くはない今回のお寺と出会いました。

そういうわけで今まで木母寺のことは知りませんでした。
が、実は能の「隅田川」は観たことがあって、「あ、あの隅田川の!」と思うことが出来たのです。以下、ちょっと脱線。

そら庵に偶然来店してくださったことで知己を得た能楽師の安田登さんは、長年都内のお寺で能や芸能、古典など多岐にわたる内容のワークショップを企画、開催されていましたが、2013年頃に「隅田川」の公演を行われるにあたり、作品を楽しむための予習的なワークショップを実施されました。そこでお店が終わってから、頑張って広尾まで何度か通ったんですよ。あの頃はめちゃくちゃ忙しかったけれど、気分転換を兼ねて楽しみに参加していました。
どこでどうつながってくるか、わからないものですね。

本ブログを検索したところ、観劇したのは2013年の3月でした。
恥ずかしながら感想を書いています。

能『隅田川』 - sora-anの日記


話を戻すと、そういうお寺の由来も魅力的でしたが、隅田川のそばであることや(「そら庵」とのつながりが感じられ)、お寺の入口付近の、東白髭公園のガーデニングも素晴らしくて、どんどん気に入って一大決心。

ただしちょっと「アナログ」な納骨堂です。
最近都内では、ICカードをかざすとお骨が墓石とともに運ばれてくる納骨堂など、
デジタルでお参りに伴う大変さがない施設が増えているようです。
お供えは一切できませんが、誰にとっても楽だと思います。

でも個人的に、そういう場所で東海のお参りをすることに違和感があったのでやめました。木母寺の納骨堂は40年以上前に建てられ、階段を上る必要がありますが、
自然の風が入り、小さめならお花のお供えや線香もOKです。

法要当日はきっと猛暑だろうと思っていましたが、やっぱり猛暑に。
親族、それから友人数名に見守っていただき、無事納骨まで終了しました。

納骨に際し、戒名を授けていただきました。
私自身にこだわりはありませんでしたが、必須だったことと、さらに追加料金はかからなかったのでお願いしました。
打ち合わせのときに、東海の人となりや仕事についてご住職にお伝えし、
そのときは、「それじゃ智とか才ですかねえ」とおっしゃっていたのですが、
当日見せていただいた戒名には、意外にもどちらも入っていなかった。
でもとても東海らしい字を考えてくださいました。
写真をご覧ください。

 

以下は一応のお知らせです。

木母寺
東京都墨田区堤通2-16-1
東武スカイツリー線「鐘ヶ淵」駅より徒歩約10分
https://www.mokuboji.org/

場所は納骨堂の3階で、入ってすぐに見える棚の左から2列目上段です。
東海家と書かれていますのでわかると思います。
仏壇式です。扉が閉まっていたら開いてお参りください。
小さな花瓶を置いています(はさみなど、必要なものはあります)。
本堂に声をかけずにお参りいただいて大丈夫ですが、
ご住職がいれば案内してもらえると思います。