三回忌に

7月21日は東海亮樹の三回忌でした。一昨年のことはまだ記憶に新しく、もう2年経ったとは信じられません。

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先日深川で、東海を偲ぶ会を開催しました。一つ前の投稿で報告しています。宜しければご覧ください。

亡き人からもらい受けたたくさんの恩恵を日々感じて生きております。

7月21日は参議院選もありましたので、東海本人による2015年4月30日のfacebook投稿を掲載します。恥ずかしながら、私と東海は文中の内山秀夫先生のゼミで知り合いました。

「恩師である故・内山秀夫先生の遺稿集が影書房から出版されました。ゲラの段階で読みましたが、「どうなったら戦争をする国になるのか」という生前の内山先生の分析と危機感がほとんど当たっていることに驚きと現状への落胆を感じました。
http://www.kageshobo.com/main/books/inochinominsyusyugiwo.html
(内山秀夫『いのちの民主主義を求めて』)

ジョージ・オーウェルの「二重思考」(戦争とは平和である。自由は屈従である)についての私のインタビュー記事も収録されています。その際に内山先生が、「あとテクノロジーの問題は君たちが考えてくれたまえ」とおっしゃっていたことが宿題になっています。


内山先生は怖いというか、学生ぐらいの脳みそでは本当に「謎」の師匠でした。ゼミのほとんどは三田の居酒屋「つるのや」で行われたのですが、(←注:それはちょっと大げさです笑)
内山先生があたしのコップに酒を注いでくれて、あたしが「すいません」と言うと、「すいませんなんていう便利な言葉を使うんじゃない!」と急に怒られまして、今になると怒られた理由も分からないではないという人間社会の機微を教わりました(笑)

学生にはいろいろ「謎」としか思えない言動をして、説明はしないという先生でしたが、その後、その謎が解けていくことで大人になることを感じたような気がします。
手取り足取り、「コミュニケーション」なんてものまで大学の先生に教えてもらえる今の学生は、ある意味ではかわいそうだと思います。師匠というのは弟子にとっては「謎」であるのに限ります。孔子ブッダにしても弟子にとっては謎でしたでしょうし。

ちなみに影書房というのは、元・未来社丸山真男さんの『現代政治の思想と行動』をはじめ、藤田省三花田清輝などの本を編集した、人文書では伝説的な編集者の松本昌次さんの出版社です。松本さんは88歳の今も現役で、本書の編集も担当してくれたそうです。戦争を知る世代がつくった本ですので、多くのとはいいませんが、少しでも若い人に読んでほしいなと思います。」

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写真は本書に収録された東海のインタビュー記事の一部です。

東海投稿の文末にお名前が出てくる松本昌次さんは、今年1月に逝去されたそうです。内山先生の最末端の弟子としてご冥福と感謝を申し上げたく思います。本書、まだ何冊か持っていますので、ご希望の方はお知らせください。