江東のこども
せんだって、友人の「とり天ねこ」さんがブックカフェ用にと写真家の土門拳全集を寄贈してくれました。
なかでもすばらしいのは、土門拳が1950年代に江東区白河(そら庵の隣町)の子どもたちを撮った「江東のこども」です。
土門自身の文章を引用します。
「ぼくはずいぶん深川・白河町の清洲アパートで、いわゆる「江東のこども」を写している。どういう縁でぼくが白河町を写すようになったのか、記憶にははっきりしない。多分、高野康夫か青木藤吉郎が教えてくれたのであろう。しかし、モチーフとしては白河町はすばらしく上等である。貧乏人の子沢山というようにこどもが沢山いた。三輪車、お嫁さん、買物、ゴム飛び、ベーゴマ、馬飛び、らくがき、チャンバラごっこなど、数えればきりがないほど写している」
さて、いまの深川も「モチーフとしてはすばらしく上等」なのでしょうか。他のつるつるぴかぴかの町よりも、まだ深川は人間くさいと思いますが、風景はいやがおうでも時代とともに変わっていくものです。嘆いても仕方のない、ことではあります。
せめて、そら庵には昭和の名残をとどめておきたいと思います。
写真集はとても見応えがあるので、ぜひ見に来てくださいね。