陸前高田へ(2014年12月)

3年9ヶ月後であり、短時間の滞在に過ぎませんでしたが、
全然遅くはなかったし、やっぱり行ってよかったので陸前高田への旅ルポを書きました。
よかったらお読みください。

行ける条件がたまたま重なり、12月上旬に夫と岩手の陸前高田まで行ってきました。
震災から半年後に宮城の鳴子〜松島に行く機会がありましたが、
津波の被害が大きかった場所を訪れるのは今回が初めて。
3年半以上経っていましたが、かつて住宅や商店街やJR陸前高田駅があった広大な土地が
更地のままになっているのを見ただけでも大きな衝撃でした。
聞こえるのは工事の音や鳥の声だけ。これまでに体験したことのない風景。
そこに町があって人がたくさん住んでいた、という意味で
広島や空襲で焼け野原になった場所と重なりました。住民の10人に一人はお亡くなりになったということです…無念と鎮魂の地でした。





「奇跡の一本松」の後ろの建物はユースホステルで、震災遺構として残されています。


何となく神社やお寺に行ってみようということになり、
海から1キロほど離れ、気仙川のほとりにある今泉天満宮に行ってみると、
境内に「にじのライブラリー」がありました。
こちらの存在を夫は知っていたのでお訪ねすると、
荒木そうこさんという方がお一人でいらして、温かくもてなしていただきました。
facebookページです
https://www.facebook.com/rikuzentakata.niji?fref=ts
(ページ情報より)
「にじのライブラリーは、「子どもたちへ<あしたの本>プロジェクト」と、「<大震災>出版対策本部」により運営される、陸前高田市にできた仮設図書館です。今泉天満宮の境内にあり、天神大杉(樹齢700年以上)の脇に建つ、木造平屋の建物です。三井物産の協力により建てられました。」

市の図書館が流され、寄付によって集まった本を設置する場所が新たに必要になり、
2011年の11月にオープン。開いているのは水曜の午後と土日だけとのこと。
訪れたのは水曜のお昼過ぎでした。お導きに感激。
荒木さんは宮司さんの娘さんでいらっしゃいました。
窓から見える場所に建っていたアパート、そして避難所まで運転してきた車も
津波で流されてしまったそうです。ご実家の神社に避難してきた方が一時は50人ほどいて、
料理上手のお母様や女性が中心となって毎日朝と夜に炊き出しを行ったお話や、
ライブラリーで行われている活動についてお話をお聞きしました。


ライブラリーであり、また人が安心して集まることができる大切な場所になっていることが
わかりました。手作りのものや本に囲まれ、荒木さんのお人柄と相まって
とてもほっとできる空間でした。


帰りに振り返ったとき、杉の木の存在感がぐっと迫ってきたことに驚き、
思わず写真を撮りました。なぜこの人の気配のない場所にライブラリーが、と
最初は思いましたが、天満宮はすべて流されてしまって、
その跡地に建てられたからなのですね。
この木だけ残って今も生きていることが、またまた胸に迫りました。
今泉天満宮の再建を支援する会
http://imaizumitenmangu-sien.net/
(旅ルポ終わり。お読みいただきありがとうございました。