【報告】そら庵朗読会〜江戸情話を聴く会(藤沢周平ナイト)、満員御礼の二夜


6月20日、21日と二夜連続で「そら庵朗読会〜江戸情話を聴く会」を開催し、
無事終了しました。おかげさまで両日とも満員御礼となり、
合計で70名近くのお客様とともに立花みどりさん、佐藤光生さんの朗読を堪能しました。
梅雨の晴れ間ではありましたが日中の蒸し暑さが残り、お客様でぎっしりの店内は
窮屈だったのではないかと思います。
ご清聴いただいたご来場のみなさまに心より御礼申し上げます。


藤沢周平ナイト、第一話は立花さんの朗読で「山桜」(写真)。
夫が病死し、その後再婚した家と折が合わない若い女、野江が主人公。
そして野江にひそかに想いを寄せていた武士、手塚弥一郎。
女性の側から見た「幸せへの回り道」のお話です。
相手の幸せを願う気持ち、たとえ口数は少なくても伝わるものは伝わるんですよね〜(^o^)
自分にも手塚弥一郎のような人がいたら、と思う人は多いのでは‥(笑)
ハッピーエンドを匂わせつつも、その手前でお話が終わってしまうのが何ともじれったい。
でも立花さんの朗読からは、山桜のようにほんのりと幸せの予感がしました‥

第二話は佐藤光生さんの朗読で「約束」。
16歳の幸助、13歳のお蝶。深川への引っ越しと奉公が決まり、
幸助の奉公先を訪ねてきたお蝶。二人は幼なじみ。5年後に萬年橋で会おうと約束し、
その日がやってくる。21歳と18歳になった二人が、その5年間に体験したことは‥
萬年橋が舞台の「約束」は本当に良い話です。
そら庵にも置いている「橋ものがたり」の一編で私も原作を読んでいました。
(また以前あるテレビ番組で取り上げられたときは、
スタッフの方がそら庵でイベントを開催されたこともありました。)

それなのに初日だけでなく、二日目も涙ぐんでしまいました。
佐藤さんは淡々と二人を語り分けていらっしゃいましたが、
せつない気持ちがストレートに伝わってきました。
そして藤沢周平さんの心憎い描写と台詞。
物語の舞台がこんなに近くてよく知っていることにも不思議な感慨がありました。
橋の欄干にもたれかかる主人公がどんな風景を見ていたかまでわかるわけですから‥
(マンションと清洲橋がない風景を想像!)
第一話、第二話とも、登場する女性は心に傷を負っていたり不安を抱えていますが、
彼女たちを思いやる男性のすがすがしさが心に残ります。

終演後のご挨拶。お二人の素晴らしい朗読に拍手喝采でした!
春分の日に開催が決まり、3ヶ月過ぎて夏至千穐楽を迎え
私も感無量でした。終了してホッとするとともに名残惜しさもこみ上げます。
立花さん、佐藤さん、そら庵での開催、本当にありがとうございました!
なごみ会の皆様にも大変お世話になりました。
付け合せの自家製クッキーも好評だったようで胸をなでおろしています^^