6/27大川端 桜桃忌と蕁麻疹

6月27日(日)の大川端語りの会で
太宰治作「皮膚と心」を朗読する武順子さんが
チャーミングな告知を書いていらっしゃったので
引用して、再告知いたします!

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毎年初夏になると、蕁麻疹ができる。

暑い暑いと、毎日ビールを飲み続けると、蕁麻疹が出る。

酔ったアタマで、毎年この作品を思い出す。

いつか「皮膚と心」を朗読するんだ…酔ったアタマで、考えていた。

そしてとうとう、朗読することになった。


女のみなさんには、ないだろうか?
ここ一番というときに顔に大きな吹き出物ができたことが。
たった一つの吹き出物ができたために、人生の終わり地球の消滅を願うことが。
中学生が、試験の前日に学校爆破や巨大地震を妄想するように…


「…… そうして、これは喜劇ではなく、女の生涯は、そのときの髪のかたち、着物の柄、眠むたさ、または些細のからだの調子などで、どしどし決定されてしまうので、あんまり眠むたいばかりに、背中のうるさい子供をひねり殺した子守女さえ在ったし、ことに、こんな吹出物は、どんなに女の運命を逆転させ、ロマンスを歪曲させるか判りませぬ。いよいよ結婚式というその前夜、こんな吹出物が、思いがけなく、ぷつんと出て、おやおやと思うまもなく胸に四肢に、ひろがってしまったら、どうでしょう。私は、有りそうなことだと思います。吹出物だけは、ほんとうに、ふだんの用心で防ぐことができない、何かしら天意に依るもののように思われます。天の悪意を感じます。五年ぶりに帰朝する御主人をお迎えにいそいそ横浜の埠頭、胸おどらせて待っているうちにみるみる顔のだいじなところに紫色の腫物があらわれ、いじくっているうちに、もはや、そのよろこびの若夫人も、ふためと見られぬお岩さま。そのような悲劇もあり得る。男は、吹出物など平気らしゅうございますが、女は、肌だけで生きて居るのでございますもの。否定する女のひとは、嘘つきだ。……」―皮膚と心―


月琴のCHARLIEさんが、私の語りに彩りをつけてくださいます。
彼のトレモロは、いつも私の心を溶かします。
月琴の演奏も、どうぞたっぷりとお楽しみくださいませ。
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大川端語りの会 vol.19
6月27日(日)15時開演(14時半開場)
¥1500円(1ドリンク付)
朗読 武順子/月琴 Charlie Zhang


Charlie Zhang(星野孝司)プロフィール
中国民俗と月琴の、かなりコアな知識を持つ。
月琴などの楽器の製作、修理も行う月琴奏者。
板橋在住。すいぶん離れたところにも、月琴を背にさっそうと登場する。

夏至の夕暮れ、18時50分。
深川番所さんによると、この数分前は空が真っ赤に染まっていたそうです。
寄り道したのが悔やまれます〜〜〜。