私のアピエ一冊

明日土曜日は19時からライブ「水辺の奇跡1 水と芭蕉と正木さん」のため、
ブックカフェは17時ごろまでとなります。ご了承くださいませ。


さて、そら庵で2月7日まで開催中の
「文芸誌APIED(アピエ)&CINEMA APIEDブックフェア」。
私は文芸誌アピエの一冊が、
デンマークの女性作家アイザック・ディネーセン(イサク・ディーネセン)
の特集だと知ったとき、やった!と思いました。

映画化された作品「バベットの晩餐会」や
ディネーセンが主人公のハリウッド映画「愛と哀しみの果て
(原題は"Out of Africa"なんですが〜)で知った作家です。


1885年にデンマークの上流階級の家に生まれて、男爵夫人となって
28歳で英領ケニアに渡り、46歳までコーヒー園経営者として滞在し、
離婚を経験し、経営に失敗して、ついでに恋人も亡くして、
単身デンマークに戻って50歳で作家デビュー。
代表作は「アフリカの日々」。この作品は
サリンジャーの「ライ麦畑」で、主人公が間違って図書館員から本を渡されて
それがすごくよかったと書かれています。


映画にも描かれていましたが、この人にはシェヘラザードのような
「物語る」才能があったようです。
この時代の西洋人である以上、アフリカものには無意識の偏見もあるようです。
でも観察眼と文体と生き様は間違いなく魅力的です。
と書いたものの、私は「バベット」ぐらいしか読んでないですが(^^)
すっかりディネーセンの世界にハマっています。


では一節を引用して今日は終わりま〜す。
「アフリカの高原ですごしたことのある人なら、あとで思いかえしてみると、
しばらくの時を空の高みで生きていたような気がして、
おどろきに打たれるにちがいない」(アフリカの日々)


「わたしは貧乏になることなどないのです。わたしはすぐれた芸術家なのです。
すぐれた芸術家が貧しくなることなどないのです」(バベットの晩餐会